
近年では空き家から発生する火災が大きな社会問題となっています。
引っ越しや相続などの理由により、遠方にある空き家を所有するようになった方は、管理不足による火災発生にとくに注意が必要です。
そこで今回は、空き家火災が起きる原因と対策、所有者の責任について解説します。
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空き家火災が起きる原因

空き家火災が起きる原因のうち、とくに多いのは放火とタバコ、ガス漏れです。
ここではそれぞれが原因の火災が発生する背景について解説します。
放火
消防庁の調べによると、令和5年に起きた火災のうち「放火」と「放火の疑い」を合わせると全体の10.7%を占める割合となっています。
管理されていない空き家は人目につきにくく、放火犯から目をつけられやすい傾向があります。
とくに以下のような空き家では放火が起こるリスクが高まるでしょう。
●灯りが付いておらず人の気配がない
●周囲から家の様子が見える
●近隣に家がなく人気がない
●門扉が常に開いている
●ドアや窓が施錠されていない
消防統計によると、放火は夕方から夜中にかけて室内でおこなわれることが多いとのことです。
タバコ
タバコが原因の火災は令和5年度に3,498 件起きており、全体の9%を占める割合となっています。
タバコのポイ捨ては放火のような意図的な悪意がない場合もありますが、それでも大きな被害をもたらすため見逃せません。
令和5年度にはタバコが原因で発生した火災により、全体の 10.4%を占める157名の死者が出ています。
空き家の敷地内で雑草が手入れされず伸び放題になっていたり、不法投棄されたゴミがたまっていたりすると、火は燃え広がりやすくなります。
無思慮な通行人によるポイ捨てが大きな火災につながる場合があるため、空き家の管理において大きなリスクといえるでしょう。
ガス漏れ
令和5年度のコンロを起因とする火災は、全体の7.3%を占めています。
これには人が住んでいる住居で起きた火災の数も含まれていますが、空き家の場合早期発見が難しくなるため、大きな火災に発展する可能性はより高いでしょう。
長年設備の確認がおこなわれていない空き家では、老朽化や故障によりガス漏れが生じる可能性もあります。
ネズミが配線をかじって火災が発生するケースもあるため、空き家の状況を定期的に確認することは大切です。
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空き家火災を防ぐための対策

空き家の管理を怠っていると、火災が発生する可能性が高まるため注意が必要です。
ここでは、空き家火災を防ぐ対策を3つ解説します。
対策①管理されている空き家であるアピールをする
放火犯に目をつけられないようにするためには、管理されている空き家であることをアピールする必要があります。
具体的な対策は以下のとおりです。
●センサー感知式の照明を取り付ける
●門扉を閉じ、戸締りを徹底する
●管理業者の社名と連絡先を見えやすい場所に明記する
●近所の方に不審な点があれば連絡してもらう
人の気配が感じられる家にしておけば、放火されるリスクを軽減できます。
対策②燃えやすいものを片付ける
万が一火の元が発生した場合に被害が広がらないよう、燃えやすいものを片付けておくことは大切です。
新聞紙や雑誌、段ボールなどの可燃物は、少しの火種で一気に燃え広がるおそれがあります。
灯油タンクやガスボンベなどの可燃性・引火性の高いものも火災リスクを高めるため、保管場所に気を付けましょう。
空き家の庭に草木が伸び放題になっていることも、火が燃え広がる原因となります。
雑草や枯れ枝、落ち葉などは定期的に清掃し、こまめに庭の手入れをする必要があります。
空き家には不法投棄のゴミが集まりやすいため、敷地内に不審物がないかを定期的に確認し、見かけた場合は速やかに撤去することも大切です。
自分での管理が難しい場合は、専門の管理業者に定期巡回を依頼することも一つの手です。
対策③賃貸や売却に出す
用途がない空き家を所有している場合、賃貸や売却などの方法で早めに処分することは火災防止対策として有効です。
賃貸に出すと家賃収入が得られるだけでなく、人の出入りによって防犯効果が高まるでしょう。
建物の状態や立地が良い場合は賃貸のニーズが見込めるため、検討をおすすめします。
また、空き家の老朽化が進まないうちに早めに売却を決めれば、先延ばしにするよりも売れる可能性が高まります。
買い手が見つかりにくい場合は、各自治体が提供する空き家バンクなどの支援制度も活用可能です。
空き家の維持管理が難しいと感じる場合は思い切って手放せば、火災リスクの心配から解放されるでしょう。
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空き家火災が起きた場合の所有者の責任

遠方にある空き家を所有している場合、物件に対する責任意識が弱まりやすくなるかもしれません。
しかし、万が一空き家火災が発生し、近隣住民に被害を与えた場合の責任について考えると身が引き締まります。
ここでは、失火責任法と放火による火災、設備の不具合による火災に分けて解説します。
失火責任法
空き家火災が発生した場合に関係する法律として「失火責任法」があります。
通常他の人に損害を与えた場合、民法七〇九条にもとづき生じた損害を賠償する責任を負わなければいけません。
しかし、1899年に定められた失火責任法では、故意の失火ではない限り失火者は火災による損害の賠償責任を負わせられないこととなっています。
これには、当時の木造家屋が密集した住環境から、失火した人が類焼を受けた人の損害賠償責任を負うには賠償能力に対して責任が重すぎると判断された背景があります。
ただし、故意ではない過失による失火でも重大な過失が見られる場合は、失火責任法の範囲外になるケースがあるため注意が必要です。
放火の場合
放火による火災は家の所有者と関係のない第三者が起こした犯罪であるため、基本的には所有者への責任は問われません。
しかし、空き家の管理を怠っており、所有者が「簡単に放火ができる状況を作った」とみなされる場合には、責任が問われる可能性があります。
失火責任法の適用から外れた場合、近隣の被害に対する損害責任として高額な賠償金を負うケースがあります。
設備の不具合の場合
家の設備は年月が経てば老朽化するため、所有者は住んでいなくても常に状態を確認しておく責任があります。
設備の不具合による火災が発生した場合は、所有者が管理責任を怠ったとみなされる可能性があります。
ガス漏れや電線のショートなどによって火災が発生するケースがそれにあたるでしょう。
建物内を走っている電線は樹脂で覆われていますが、電線の被膜が劣化してショートし、火を出すことがあります。
それが理由で空き家で家電製品を何も使っていなくても、突然火災が生じる場合があるため注意が必要です。
火災の発生が予見される状態であったにもかかわらず、改善をしていなかった場合、所有者は損害賠償責任を負う可能性があります。
火災の発生時に空き家に瑕疵がなかったことを証明するためには、管理専門業者による管理実績を示せるようにしておくと効果的です。
また、空き家に掛けられる火災保険商品を契約しておくことも一つの方法です。
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まとめ
空き家火災が起きる主な原因には放火やタバコ、ガス漏れなどが挙げられます。
空き家火災を防ぐためには、管理されている空き家であるアピールしたり、燃えやすいものを片付けたりする対策が有効です。
失火責任法により、火災が起きた場合基本的には空き家の所有者の責任は問われませんが、重大な過失が認められた場合は例外となるため注意が必要です。
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