不動産を売却するとき、不動産会社は「レインズ」と呼ばれるシステムを利用して売却活動をおこないます。
レインズとは何か、メリットは何なのか、どのような流れで進むのか、いろいろ疑問に思うことも多いでしょう。
そこで本記事では、レインズの概要とレインズを利用するときの主な流れ、不動産売却のときに知っておきたい媒介契約の種類を解説します。
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不動産を売却するときに知っておきたいレインズとは
レインズ（REINS）とは、不動産物件に関する情報交換を目的としてつくられたコンピュータネットワークシステムのことです。
正式名称は「不動産流通標準情報システム」で、英語表記の「Real Estate Information Network System」の頭文字を取って名付けられました。
レインズは1990年に当時の建設省、現在の国土交通省が企画し、不動産情報の共有化実現などの目的で誕生しました。
現在、レインズは全国にある以下の4つの公益財団によって運営されています。
●（公財）東日本不動産流通機構
●（公社）中部圏不動産流通機構
●（公社）近畿圏不動産流通機構
●（公社）西日本不動産流通機構
4つのレインズは、それぞれ「東日本レインズ」「中部レインズ」「近畿レインズ」「西日本レインズ」の通称で呼ばれています。
なお、レインズを利用できるのは全国にある不動産会社だけであり、一般の方は自分が売却しようとしている不動産以外の情報は確認できない点が特徴です。
不動産売却におけるレインズの仕組み
レインズの仕組みを簡単にまとめると、以下のとおりになります。
●売却依頼を受けた不動産会社が、レインズに不動産の情報を登録する
●レインズを通じて、登録された不動産の情報が全国にある不動産会社に共有される
●不動産の購入希望を受けた不動産会社が希望条件に合う物件をレインズで探し、購入予定者に不動産を紹介する
レインズでは不動産の詳細だけでなく、過去の取引情報も閲覧が可能です。
不動産売却でレインズを活用するメリット
不動産売却においてレインズを利用するメリットは、短期間での売却が可能になる点です。
レインズに登録された不動産情報は全国の不動産会社が確認できるため、買主の対象を他の不動産会社の顧客にも広げやすく、早期の売却が実現しやすくなります。
また、不動産情報が1つのネットワークシステムに統合されているため、複数の不動産会社に直接連絡する必要がなく、問い合わせにかかる手間と時間が短縮されるでしょう。
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不動産を売却するときにレインズを利用する流れ
不動産を売却するときにレインズを利用する流れは、以下のとおりです。
●不動産会社で売却したい旨を伝える
●売却依頼された不動産会社はレインズを確認し、登録済みの不動産情報から周辺物件の相場などを調べる
●売却依頼した不動産会社から不動産の査定額を提示される
●査定額に納得した段階で不動産と媒介契約を結ぶ
●不動産会社が売却依頼を受けた不動産の情報をレインズに登録する
これらのステップを経ると、売主へレインズに登録したことを示す証明書が不動産会社から交付されます。
買取希望の方が見つかり売買契約を結んだあと、不動産会社は成約した旨をレインズに登録する仕組みです。
不動産を売却するときに不動産会社と結ぶ媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」そして「専属専任媒介契約」の3種類があり、このなかから1つを選択する必要があります。
一般媒介契約とは
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に売却依頼できる媒介契約のことです。
1社だけでは不安な場合や、複数の不動産会社にまとめて売却活動を依頼したい場合に適しています。
不動産会社による売却活動と並行して、売主自身が買主を見つけることが可能で、比較的自由度の高い媒介契約です。
契約期間は法律で定められていませんが、行政指導により3か月以内に設定されることが推奨されています。
専任媒介契約とは
専任媒介契約とは、一般媒介契約とは異なり、1つの不動産会社にのみ不動産売却を依頼できる媒介契約です。
契約期間中はほかの不動産会社に依頼することができないため、信頼できる依頼先を見つけることが重要です。
一方で、一般媒介契約と同様に、売主自身が買主を見つけることも可能で、買取希望者が見つかれば、直接取引を進めることができます。
専任媒介契約の契約期間は3か月以内に定められています。
専属専任媒介契約とは
専属専任媒介契約とは、専任媒介契約と同様に、1社の不動産会社にのみ売却依頼できる媒介契約です。
売主が自分で買主を見つけることはできないため、専属専任媒介契約を選択した場合は、不動産会社による売却活動で買主が見つかるのを待つことになります。
専属専任媒介契約の契約期間は、専任媒介契約と同じく3か月以内です。
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売却したい不動産をレインズに登録する必要がある媒介契約の種類
売主から不動産売却の依頼を受けたとき、不動産会社がレインズへの登録義務を負うのは、専任媒介契約と専属専任媒介契約の2種類です。
専任媒介契約では、登録期限は専任媒介契約を結んだ日の翌日から、不動産会社とレインズが休業している日をのぞいて7日以内と定められています。
登録後も不動産会社には売主への活動報告義務があり、売主に対して2週間に最低1回以上は売却活動の進捗具合などを報告しなければなりません。
報告方法は文書、もしくは電子メールの2種類から選択できます。
専属専任媒介契約の期限は専任媒介契約よりも短く、専属専任媒介契約を結んだ翌日から5日以内です。
専任媒介契約と同じく、登録期限内に不動産会社やレインズの休業日が含まれていたときは、休業日をのぞいて日数を計算します。
売主に対して不動産会社がおこなう売却活動の報告義務も、1週間に1回以上と短い期間での説明が必要です。
活動報告に関しては専任媒介契約と同じく、文書もしくは電子メールによる方法でおこなわれます。
専任媒介契約も専属専任媒介契約も、契約期間内に買取希望者が見つからないときは、媒介契約は自動更新されず、不動産会社との合意により文書で更新を申し出る必要があります。
なお、3種類のうち一般媒介契約だけはレインズへの登録義務がなく、売主に対する活動報告もありません。
専任媒介契約か専属専任媒介契約を選ぶメリット
レインズへの登録義務がある2種類の媒介契約を選択すると、売却したい不動産の情報が全国から閲覧できるようになり、売買契約締結までの期間が短縮されます。
不動産会社も売却活動に積極的に取り組むため、実際に不動産を売却するまでの流れがスムーズになる可能性が高まります。
一般媒介契約と異なり、契約先が1社に絞られることで、窓口や情報が複数に分散されるリスクも軽減されるでしょう。
専任媒介契約か専属専任媒介契約を選ぶデメリット
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、依頼できる不動産会社が1社に限定されているため、別の不動産会社への売却活動依頼は不可能です。
不動産会社の対応に疑問や不信感を抱いた場合でも、途中で変更することはできないため、契約する不動産会社を選ぶ際は慎重におこなう必要があります。
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まとめ
レインズとは、全国の不動産会社が扱う不動産情報を閲覧できる不動産会社専用システムのことです。
利用するときは査定額を参考に不動産会社を選択し、媒介契約後に不動産情報をレインズに登録する流れで進みます。
不動産売却でレインズを活用するなら、登録義務がある専任媒介契約か専属専任媒介契約の2種類を選びましょう。
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