共有名義とは、1つの不動産に対して複数の人が所有者として登記されている状態を指します。
不動産の相続や住宅ローン契約で共有名義が選ばれることは少なくありませんが、売却時には注意が必要です。
今回は、共有名義不動産の売却方法、必要書類と手続きの流れ、押さえておくべきポイントを解説します。
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共有名義とは?共有名義の不動産を売却する4つの方法
共有名義とは、土地や建物といった不動産の所有権を、複数の人が共有している状態を指します。
共有者1人ひとりには「共有持分」という割合的な権利が認められ、その名義人を「共有持分権者」と呼びます。
不動産は現金とは異なり、物理的に分割できないため、相続時などに共有名義となることが多いです。
実家をきょうだいで共有名義にする場合や、マイホーム購入時に夫婦で共同名義にする場合、二世帯住宅を親子で共有名義にする例などがあります。
共有名義の不動産は、共有者全員の同意がなければ売ることができません。
共有者の間で合意が取れていれば問題ありませんが、一方が「売りたい」となった場合にはトラブルが生じます。
まずは、共有名義の不動産を売却する際の方法について解説します。
売却方法①共有者全員の合意による売却
共有者全員の同意を得られる場合、不動産全体を売ることが可能です。
売却後の収益は、共有者間で持分に応じて分配されます。
もし共有名義の家に住んでいる共有者が売ることに反対している場合、「リースバック」を利用する選択肢もあります。
リースバックとは、不動産会社に一度家を売った後に賃貸契約を結び、家賃を払って元の家に住み続ける方法です。
売却方法②自己持分の共有者への売却
自己持分を他の共有者に売る方法もあります。
他の共有者がその持分を買い取れば、買い取った共有者は全ての持分を取得し、不動産を単独で売ることができます。
この場合、他の共有者の同意は不要です。
売却額についての話し合いは必要ですが、良好な関係であれば話し合いもスムーズに進むでしょう。
ただし、相場よりも安い売却額で取引すると、贈与税が課税されることがあります。
売却方法③自己持分の第三者への売却
自己持分を共有者以外の第三者に売ることも可能ですが、あまりおすすめできません。
土地のみの不動産であれば、土地を「分筆」して単独名義にしてから売る方法もありますが、分筆には時間と費用がかかります。
共有持分の買い手は不動産を自由に処分・利用できないため、買取価格は適正価格の50~70%程度になることが多いです。
多くの場合、買い手は不動産買取を専門とする業者となります。
トラブルを回避し、納得できる価格で売るためにも、他の共有持分権者に売却するのがベストです。
売却方法④司法手続きを経ての売却
共有者間で売却に関する合意が得られない場合、裁判所に申し立てて「共有物分割請求訴訟」を通じて不動産を売ることができます。
これは、共有者間で合意が得られない場合の最後の手段です。
共有物分割請求とは、不動産を物理的に分割するか、売却して収益を分配することを請求する法律上の行為を指します。
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共有名義の不動産を売却するときの必要書類と流れ
共有名義不動産の売却には、全員の同意が必要で、手間と時間がかかります。
売却手続きの必要書類と流れを、事前に把握しておくことが重要です。
共有名義不動産を売却するときの必要書類
登記識別情報(登記済権利証)
不動産の所有権を証明するために必要です。
2006年までは登記済権利証が発行されていましたが、以降は12桁の英数字からなる登記識別情報が使用されます。
紛失した場合は、登記所からの事前通知を利用して名義人であることを確認してもらいます。
地積測量図、境界確認書
土地の面積や隣地との境界を明確にするための書類です。
古くからの不動産ではこれらの書類がない場合もあり、その場合は土地家屋調査士に依頼して測量してもらう必要があります。
測量には費用と時間がかかるため、早めの対応が重要です。
共有者全員が用意する書類
また、共有者全員が以下の書類を準備する必要があります。
●実印
●印鑑証明書
●身分証明書
●住民票
これらの書類を用意し、全員が実印を押印し契約書に署名することで売却が可能となります。
共有名義不動産を売却するときの流れ
必要書類の準備と、共有者全員の合意が整った後の一般的な流れは以下の通りです。
共有者を把握する
共有名義不動産を売るには、全ての共有者の同意が必要です。
時間が経つと相続などで共有者が増えたり、変わったりすることがあります。
共有者が多い場合は、売却時点で所有者を再確認しましょう。
不動産会社との契約
不動産会社と契約することで、随時アドバイスを受け、スムーズに売却を進められます。
ただし、法的手続きや税金が絡むため、信頼できる不動産専門家や法務・税務の専門家の助言が不可欠です。
最低売却価格を決める
不動産が希望価格で売れるとは限りません。
反響が少なければ価格調整が必要で、値下げ交渉も想定されます。
価格調整に時間をかけると売却チャンスを逃してしまうため、共有者間で最低売却価格を事前に決めておくことが重要です。
買契約の締結と所有権移転
買主が決まったら、売買契約を締結し、所有権移転の手続きをおこないます。
収益の分配と税金の申告・納付
売却後の収益は持分に応じて共有者間で分配します。
不動産売却で利益が出た場合、所得税と住民税の支払いが必要です。
確定申告は共有者全員が個別におこなわなければなりません。
居住用財産の売却で条件を満たす場合、譲渡所得税から3,000万円まで控除できる制度がありますが、この場合も確定申告が必要です。
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共有名義の不動産売却時にはどんなポイントがある?
最後に、共有名義の不動産を売るときのポイントについて解説します。
これらのポイントを押さえて、共有名義不動産の売却をスムーズに進めましょう。
ポイント①最低売却価格を決める
共有名義不動産の売却でトラブルを避けるためには、最低売却価格を決めておくことが重要です。
これは、値下げ交渉が行われる場合でも、売却価格がそれ以下にならないようにするためです。
共有者と不動産会社と相談して決めると良いでしょう。
ポイント②窓口やまとめ役を決める
共有名義の不動産では、全員の意見をまとめるために窓口やまとめ役を決めておくことが重要です。
これにより、不動産会社も誰に連絡すれば良いかが明確になり、売却がスムーズに進みます。
ポイント③事前に諸費用の負担割合を決める
不動産売却には仲介手数料、測量費、抵当権抹消費用、印紙税、登録免許税、譲渡所得税などの費用がかかります。
これらの費用の負担割合を事前に持分割合で決めておくと、後々のトラブルを避けられるでしょう。
ポイント④委任状による代行売却を活用
共有名義者全員が売却の重要な場面に立ち会えない場合、委任状を用意しておくと便利です。
委任状とは、出席可能な共有名義者に手続きを任せるための書類で、全員の同意を得たことを証明します。
これにより、全員が同時に集まれない場合でも、売却手続きを進めることができます。
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まとめ
共有名義不動産の売却には、最低売却価格の設定、窓口役の決定、諸費用の負担割合の事前決定、委任状の活用が重要です。
これらのポイントを押さえることで、スムーズな売却を進めることができます。
また、必要書類の準備と全員の同意を得た後、不動産会社との契約から売買契約、所有権移転、収益分配、税金申告までの一連の流れを理解しておくことも不可欠です。
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