住宅ローン早く返したい⁉気持ち
マイホームを購入した場合、頑張って1日でも早くローンを減らしたいと考える方も少なくないでしょう。
一見メリットしかないように思われる繰上げ返済、歴史的な低金利が続いている昨今では果たして利用した方が得なのでしょうか?
今回は繰上げ返済のメリット・デメリットについて紹介します。
住宅ローンの繰り上げ返済とは?
繰上げ返済とは、月々の返済額やボーナス返済などの本来の額とは別枠で任意で元金の一部を返済することです。
繰上げ返済の方法には2種類あり、ローン返済期間が短くなる「期間短縮型」と月々の返済額が軽くなる「返済額軽減型」です。
定年や住み替えまでに完済したい方は「期間短縮型」、教育費の圧迫などで月々の負担を減らしたい場合は「返済額軽減型」というように、それぞれのライフプランと照らし合わせてどちらかを選ぶ形になります。
基本的には総返済額を効率的に減らすことのできる期間短縮型を選ぶ方が多いようです。
繰り上げ返済のメリット
住宅ローンは高額かつ長期に渡ることから、利息だけでも数百万以上にのぼります。
繰上げ返済を行う最大の効果は当初の返済計画よりも利息を大幅に減らすことができる点です。
前述したように、返済期間を短縮することで完済が早く実現できるので、退職で収入が減る場合や、マイホームの住み替えを検討している場合も有効です。
また、変動金利や期間選択型の金利タイプを選択している場合であれば、金利上昇リスクに対しても効果的です。
繰上げ返済のデメリット
繰上げ返済には手数料かかるので、繰上げ返済の回数が多くなる場合は無駄に手数料を支払うため大きなデメリットになってしまいます。事前に金融機関へかかる費用の確認が必要です。
手数料の有無は金融機関によって異なり、インターネットで手続きをする場合や、ネットバンクを利用している場合は現在はほとんどが無料になっています。
また、繰上げ返済を行うことで手元の預貯金がなくなり万が一の出費に新たな借り入れが必要となったり、家計が悪化してしまうと本末転倒です。
マイホームを建てて10年以上たつと、給湯器の交換や外壁の塗装等リフォーム費用に、数百万円単位のお金が必要になってくる時期でもあります。
余剰金が出たからといって全て返済に回すのではなく、備えとなる予備費もきちんと確保しておくのが鉄則です。
住宅ローン減税と団体信用保険も考える
繰上げ返済のタイミングは早い段階が有利と考えられますが、住宅ローン減税を受けられる最初の10~13年間が終わってから始めるのがベストでしょう。
なぜなら、住宅ローン減税は借入残高が多い方が控除額も多くなる仕組みなので、期間中に残高を減らしてしまうのはあまり得策ではありません。
しかし、余剰金があるからといって、繰上げ返済は必ずしもするべきだと言い切れない面もあります。
住宅ローンは他のローンに比べて非常に低金利かつ、団体信用生命保険などの万が一の保証のある借り入れです。
例えば、債務者が亡くなってしまった場合は、団体信用生命保険で残りのローンは完済されますが、繰上げ返済してしまった現金は残された家族の元には戻ってきません。
住宅ローンを保険の一つと捉え、現金を手元に残しながら細く長く返済していく方が様々なリスクに対応できるという考えもあります。
まとめ
繰上げ返済は総支払額を効率的に減らすことができる反面、デメリットもあり、タイミングや利用方法よっては損をしてしまうケースもあります。
繰上げ返済をする余剰金が確保できたときは、自身のライフプランや金利などを考慮して利用するかその時々に検討してみましょう。