平成28年熊本地震(地震後の管理会社の記録)
熊本地震で壊れたアパート 熊本市中央区
このブログは熊本市東区にある不動産会社「
しとうホームズ」が不動産に関するお役立ち情報や日々の出来事を書き綴るブログです。
熊本地震から5年が経ちました。その当時の体験(管理会社の役目)を記したいと思います。
今回の記事を書くにあたり、「平成28年熊本地震」で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
平成28年4月14日(木)21時26分に起きた地震のあと、余震におびえて不安と恐怖の一夜を一睡もできず過ごした翌日の4月15日(金)作業のできる作業服姿で熊本市東区の会社に出社しました。
社員の中には、熊本で最大の震度7を記録した益城町に住む同僚もいましたが、全員無事に出社して来ました。
会社は熊本市東区の北部にあり、築1年の鉄筋コンクリート造3階建で建物自体に損傷はほぼありませんでした。建物内のエレベーターのかごの点検口天井とびらが落ちて床に大きい傷が入っていました。書類をいれるキャビネットも壁に固定してあり倒れやズレなく自分のデスクの片付けをし、役割分担の打ち合わせを行い業務に取り掛かりました。ライフラインも異常なく、固定電話も通じる状態でしたので、女性社員が電話の受付を行い紙に記録を残し、男性社員につたえる。男性社員が管理している物件の点検、状況把握、写真撮影、応急処置後、オーナーへの報告、業者手配、を担当しました。
熊本地震で異常信号がでている警報分電盤 熊本市中央区
まず、私が向かった物件は熊本市中央区の鉄筋コンクリート造9階建の物件で玄関ドアが歪み外にすぐに避難できず、上階から水漏れしていて1階警報分電盤から警報音が鳴っているとのご連絡でした。
物件につくと1階エントランスの分電盤から異常を知らせる警報音が鳴っていました。状況を確認するとポンプ異常のランプが点灯しており音響停止を行いました。連絡をいただいた入居者の方のもとへエレベーターは使わず階段でのぼりました。
お話を聞くと「地震のあとすぐに避難をしようとしましたが地震で玄関ドアが、開かずしばらく外にでれなく本当に怖かった、同じマンションの人に外側から開けてもらい助けてもらいました。
マンションのドアがゆがむ 熊本市中央区
そのあと、友達の車で避難し朝から熊本市中央区のマンションに帰ってくると天井から水漏れしていました。」との事でドアの枠に地震の力が加わり変形して女性の力ではドアが開かない状態だったものと推測しました。天井からの水漏れは天井にしずくがあり床が1㎡ほど濡れていました。すぐに上の階にのぼりインターホンを鳴らしましたが応答がなく玄関ドアの横のメーターボックスを開け水道メーターを確認、パイロット計は回っておらず新規の水漏れはない様子です。念のため元栓をしめメモを残しました。下の階に戻り状況を報告するのと水が出るか確認、「断水です。」と言うことは上の階の部屋は室内の蛇口が開いているか水道管の破裂が考えられます。会社へ連絡をとり上の部屋の方に連絡を取ってもらう手配をかけました。
その後、最上階9階まで階段でのぼり全部屋のインターホンを押して降りてきましたがお二人の入居者の方としかお会いできませんでした。お二人の部屋は断水以外は異常はないとの事でしたが、外出される前は水道、ガスの元栓を閉め、電気のブレイカーを下す事をお伝えしました。9階から写真を撮り降りて来て4階、5階の雑壁のクラック(ひび割れ)がひどいことに気づきます。
今度は1階のポンプの確認です。この物件は受水槽が無いタイプのブースターポンプ(水道管の水圧を補助し水圧が落ちると作動する最新のポンプ)です。警報分電盤に異常ランプが点灯の原因は、この地域全体の断水で入り側から水が来ないのでポンプが停止したものと分かりました。
物件オーナーに連絡を入れます。状況、応急処置の報告、建設会社への連絡の有無の確認。建設会社にはオーナーから連絡を入れてもらうようになりました。
その後、熊本市中央区の2物件を同じように確認、応急処置、オーナー報告、手配を済まし熊本市東区の会社へ戻ります。
熊本市東区の会社では午前中に100件を超える連絡をすでに受けていました。その当時、管理の責任者をしていましたので受付られた中の内容を確認し、人命に係わることや2次災害につながることを優先するため順位を付けました。まだ、このころまでは、台風の被害対応を幾度となく経験したことのもあり、管理会社としての業務をこなせる自信がありました。余震の規模も小さくなりつつあり、間隔も割と空いてきました。
まだ、誰もこの後に起きる本震の凄まじさは予測はできませんでした。
次回も、熊本地震の記録を書きたいと思います。
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